2015/06/27

Welcome 東京学芸大学!

雨の中懸命に咲く綺麗な紫陽花の写真を撮りに行きたい!と思いつつもわざわざ雨の中出かけるなんて憂鬱だと思ってしまい、結局ベッドでごろごろだらだらしているブログ担当の大原です。はやく燦々と降り注ぐ太陽と再会したいものです。


「ディベートを始めたくてもサークルがない。サークルを作るなんて難しそう。」
近年新しくディベートを始める大学、JPDUに新たに加盟した団体が徐々にではありますが増えています。しかし、未だ嘗てなかなか踏み切れていない…なんていう方もいるのではないでしょうか。


さて、先日行われた第二回JPDU会議において、新たに東京学芸大学のJPDU加盟が決議されました。したがって、今回はTGUの畠山さんに東京学芸大学でディベートサークルの設立・JPDU加盟に至った経緯、これからの抱負、そしてこれから設立したいと思っている皆さんへのアドバイスを頂戴してきました。
是非最後まで読んでくださいね。


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こんにちは。TGUの畠山佳穂と申します。…TGU?どこ?と思われた方も多いかもしれません。TGUとは、Tokyo Gakugei University (東京学芸大学)の略称で、今年からJPDUに加盟し活動を始めたいわゆる新興大学の1つです。ご周知のほどよろしくお願いします。
今回の記事は、皆さんにとって”ためになる”ような話ではないかもしれませんが、新興大学というものに関心を持っていただく良い機会だと思いますので目を通していただけると幸いです。


私は2014年度の1年間Hit-Uの一員として活動していました。その1年が終わり、今後どうするかを考えていたところで学芸の新1年生にディベートをやりたいという子がいることを知り、設立に踏み出しました。
多少の人数の増減もあり、現在活動している1年生は4人です。運営の大変さも感じつつ、空きコマや放課後を利用して、Hit-Uに行ったり他大の方に来ていただいたりして少しずつ歩を進めているところです。


現在、TGUとしての目標はシンプルに、強くなることです。実現はなかなか難しいとも思いますが目標は高くということで、まずは気負いすぎない程度にやっていきます。


今回はTGUの私が記事を書かせてもらっていますが、新興大学というとOCADやKCUFS、NITなどが挙げられ、また新しくなくても比較的規模の小さい団体も含まれると思います。特にOCADやKCUFSは設立年度から実績を残されていて、プレッシャーもありますが、良い刺激にもなっています。
そしてそのような成功例を見てみると、もちろん設立者の方々の努力は絶大ですが、外部の方からの手助けというのも大きく関わっているのだろうと思います。
運営やエジュケのノウハウがない、上級生の数が足りない、というのは新設/小規模団体には絶対にある問題で、そこを乗り越えられないまま停滞してしまう団体も少なくないのではないでしょうか。
そこで、やはり行き詰まったら他の人を頼るということも必要だと思います。ディベート界には親切な方がたくさんいます。それをこの2ヶ月ほどで強く感じたので、もし運営に困ってる人がいれば是非誰かに頼ってみてほしいです。


…記事の依頼をいただいた際に「これから団体設立を考えている人へのアドバイスを」ということでしたのでこのように言わせてもらいました。しかし実際のところ私も運営が上手くいっているわけでもありませんし、何より人に頼らせてもらっている立場の私が「皆もそうしましょう」と言うのも変かなとは思ったのですが、新興大学にuniqueなproblemをsolveするためのgood wayだと思ったので今回提示してみました…
しかし人に頼るのがbest wayかと言うとそういうわけではないと思います。ある先輩に「団体を率いて下級生に教えるからには自分自身が強くならなければならない」と言われました。既に強い人には関係のない話ですが、私のように「自分は上手くいかなかったけどエジュケがんばろう」的な思考の人、エジュケするならディベーターもできる限り続けましょう、という衛藤さんのお言葉でした。特に上級生が少ない団体にいるとその両立は難しいとは思いますが、下級生のためにも必要なことなので、自分なりに頑張りつつ必要なときには人に助けをお願いしてもいいのだと思います。


以上のことを踏まえ、勝手に新興大学を代表して言わせていただくのですが、
ディベート界でご活躍中の皆さん、新興大学へのご協力をどうぞよろしくお願い致します。
そして既に設立/運営等々に関して助けてくださっている皆さん、いつもありがとうございます。

練習風景


一生懸命頑張っています!

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畠山さん、お忙しい中素晴らしい文章をありがとうございました。
なかなか新しく設立に踏み切るのは困難も多いと思いますが、少しでもディベートをやってみたい!サークルを作ってみたい!と思った方がいらっしゃれば幸いです。


東京学芸大学を迎え、JPDU加盟団体数は47となりました。
これからもJPDUをよろしくお願いいたします!



2015/06/23

夏の風物詩

皆さんこんにちは、ついにスイカバーを1日1本食べなければ生きていけない季節がきてしまいました。なにやら巷では黄色いスイカバーなるものが出回っているらしく、ノリで食べたらとても美味しかったのでリピート決定です。去年はモナカばっかり食べていたのでちょうどいい(?)かもしれないですね。ブログ担当の吉井です。

梅雨もすっかり去り、世間はすっかり夏一色ですね。花火大会やら夏祭りやら夏合宿やら楽しいイベントが目白押しで、個人的にはとても実家に帰りたいです。あと花火大会には行く相手がいないです。

さて、そんなアツいアツい夏ですが、アツいのは何も気温だけじゃありません!
日本を代表する夏の風物詩といえば!
そうですJPDU Summer Seminarです!!
他大学のディベーターと仲良くなれて、素晴らしい上級生の方々からディベートのあんなことやそんなことも学べて、あわよくば花火大会に行く相手が見つかったり見つからなかったりするあのJPDU Summer Seminar、通称夏セミです!

とはいえ新入生の皆さんは、上級生からいきなり「夏セミ行こうよ!」って言われても何じゃそれは状態だと思います。僕もそうでした。去年夏セミがどんな内容なのかさえあまり分かってない状況で参加の返事を出したのを覚えてます。


夏セミの魅力を知ってもらわなければ夏セミを真に楽しんだとは言えないのでは!?
ということで今回は、去年夏セミにお邪魔した時の様子や僕が感じた雰囲気なんかを書きたいと思います。


                                               夏セミとは!!

毎年9月の上旬(今年は4~6日です!)にオリンピックセンターにて行われるJPDU主催の大規模夏合宿です!
初級・中級・上級の3段階に分かれて、それぞれがレクチャラーの受け持つ「ラボ」に入り、2泊3日みっちりディベートのノウハウを学びます(#^.^#)
ディベートを始めたばかりの1年生にも、これからの上達を目指す2,3年生にとってもタメになります!
レクチャラーによって教えて下さることが違うので、ある人はPrinciple Argumentの立論を教えて下さったり、またある人はディベートでの物事へのアプローチの仕方を教えて下さったり、ほんとに素晴らしい時間を過ごすことができます!

1日目の夜にはレクチャラーの方々による、これまたすんばらしいクオリティーのモデルディベートが行われるので音源を取ったり質問をしたり、自分のこれからの目標や課題が見つかると思います。
2日目の夜はレセプション!
オリンピックセンター内のホールで他大学の人達との立食パーティーです!
ご飯食べて談笑して、ビンゴ大会もあったりして、このレセプションで一気に友達が増えるし仲良くなれます!(花火大会に行く相手が見つかるかどうかは保証しません)
↓の写真はその時のもので、ほんとにたくさんのディベーターが参加していて、個人的にもほんとうに楽しい時間でした!






3日目の午後からはラボ制ではなくエレクティブといって、レクチャラーの方々がそれぞれの得意分野についてのレクチャーをしてくださります。
CJSやIR、Feminismといった、ディベートにおいてタメになる知識盛り沢山!おまけに知識も増えてちょっと知的になった気分にもなれます。
自分の好きな分野、あるいは苦手な分野を選択して受けられるので、「○○系のモーション苦手なんだよなぁ…」とか「▲▲系のモーションってどうすればいいか分からない」と悩める1年生への救いの手にもなります!

ではここで、とある1日の流れを追ってみましょう!

7:00 起床
8:00~9:00 朝食
9:00~12:00 ラボ
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 ラボ 
16:00~19:00 夕食・自由時間
19:00~20:00 モデルディベート
20:00~23:00 入浴・自由時間
23:00 就寝

まさしく1日ディベート漬け…素敵です…

最後に去年の夏セミを盛り上げてくださったレクチャラーの皆さんと運営の皆さんの集合写真が見つかったので紹介させていただきます!
この夏セミが大成功に終わり、とても楽しかったのもひとえにコミとレクチャラーの皆さんの尽力があったからに他なりません…(その節は貴重なレクチャーと楽しい時間をありがとうございました)




と、ここまで夏セミの雰囲気や様子を書かせてもらいましたが、当然ですがこれは合宿。お金がかかります。
サークル活動や旅行に行ったりする夏休みの大学生にとっては耳が痛い話です……夏セミに行くお金を払った結果、毎日のお昼ご飯が酢昆布だけ、なんてことも珍しくないかもしれません…

ですが!去年参加して思ったことは、この夏セミはお金以上の価値・魅力が詰まった2泊3日だということです(^^)


文才がないことに定評のある私ですが、この記事を通して少しでもJPDU Summer Seminarの魅力が伝われば幸いです。
今年の夏セミがどんな内容になるかはまだまだ未定ですが、素敵な時間になるのは間違いないです!

この夏はオリンピックセンターでアツい夏を過ごしましょう~!


2015/06/19

直撃取材inバリ!!気になるあの大学のあれこれを探れ!!! ~Ver.1~

中間試験が終わった!と思ったら期末試験という文字が迫ってきているという事実に驚愕し、誰かにやる気スイッチを押して欲しいと願っているブログ担当の大原です。みなさんいかがお過ごしでしょうか?


さて、私はと言いますと6月上旬から日本の暑さから逃げるべく避暑地に向かうはずが、気づいたら日本よりも暑いバリ島に向かっていました。そう、目的はバカンス!…ではなく、Bali UADC 2015(University Asian Debating Championships)に参加するためです。国際大会の醍醐味などはまた違う回にお話ししたいと思います。

レジの時にパシャリ



さて、皆さんはいつもどのようにディベートを練習していますか?
サークルやセクションの通常練習にいき、ディベートをしたり、大会前だったら他大の練習に参加してみたり。JPDU練習会に参加してレクチャー受けてみたり。あるいは、家で海外大会の動画をみまくったり、学校の帰り道にぶつぶつスピーチ練習をして変な目でみられている人もいると思います笑


他の大学ではどのように練習しているのだろうか?強さの秘訣はなんなのだろうか??
と気になったことがあるのは私だけではないと思います。


そこで、今回はBali UADCに参加していた海外の大学のチームの普段の練習方法や部の運営に関するユニークな点などを徹底調査してきました!内容が盛り沢山なので、Version 1Version 2に分けてお送りしたいと思います。
今回はUniversity of Dhaka, Chulalongkorn University, そしてAmerican University of Afghanistanについてお送りしたいと思います。
(写真全てに私が入り込んでいますがそこはお許しください)


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1, University of Dhaka
バングラデッシュの東大とも称されるバングラデッシュの最高学府。ついこの間の年末年始にマレーシアで開催されたWUDC(World Universities Debating Championships、いわゆる世界一を決める大会です!)ESL(English as Second Language)部門のファイナリストという凄まじい実績を残しているこのダッカ大学。


まずは普段の練習について。
なんと!大会前くらいしか練習しないそうです。大会前はだいたい週2回〜3回くらい練習するそうですが、ほぼ毎週末部内大会や近隣の大学との規模の小さめの交流大会があるそうで、それが通常練習の代わりとなっているそうです。


バングラデッシュ全体の特徴としては、Open Tournamentという大会のシステムを採用していることだそうです。これは、卒業生(alumni)が現役生と一緒にチームを組み、大会に出るというものです。日本でいう現役生のみならずOB,OGや社会人も出られる大会と同じシステムですね。
しかし!決定的な違いは、必ず卒業生が一緒に現役生と組むという点です。これは特にルールで決められているというわけではないそうですが、後輩への教育を第一に考えているため必然的にこういう組み合わせになっているとのことです。経験豊富な先輩と組むことにより、後輩もレクチャーなどを受けるのとは別の形で実践的に学べるため、後輩も育ちやすいそうです。


またもう一つの特徴はネットを利用したディベート普及システムです。これは2006年よりBangladesh Debating Councilがディベートの普及と拡散のために開発したDigital Discourseというサイトを使ったもの。これは、個人、団体問わず様々な人に批判的かつ分析的なコミュニケーションスキルを教えることを目的とした有名大学の生徒やディベート経験者によって作られた非営利組織です。自分のディベートやスピーチをアップし、バングラデッシュのみならず、世界中の様々な大会で素晴らしい実績を残しているジャッジがそれをみて採点してフィードバックをくれるというシステムで、海外のチームとも簡単に対戦できるようになっています。高校生でも大学生でも世界中のトップディベータート対戦でき、どこにいても最高のフィードバックをもらえるというシステムの開発により、バングラデッシュのディベート人口の飛躍的増加に貢献したそうです。

R1で対戦。すごくフレンドリーで仲良くなりました!



2, Chulalongkorn University
日本でもよく知られているチュラーロンコーン大学(以下、チュラ)。毎年3月に開催されているICUTでも常連の有名な大学ですね。


まずは普段の練習についてですが、特に決まったスタイルはないそうです。簡潔に言うと自由だそうです。これを練習する、これをやる、などと言った決まった練習メニューはないそうです。練習頻度は週に2回くらい。コーチもいないそうです。
ただし、コーチがいない分先輩の後輩の面倒見が非常によいのだとか。ちゃんと先輩が後輩のディベートも見て批判、批評するそうです。また、国内大会みたいなものは一個くらいしかないらしく、割と頻繁に国際大会に参加しているのが特徴だそうです。


自由な分自分たちで何を練習するか決める裁量が任されているため、弱点把握などを各自がしっかり行うことでフレキシブルに練習内容を決め、効率的に強化を図っているのではないかという印象を受けました。また、後輩と先輩との距離が近く、非常に組織としての一体感があるのではないかと思いました。

Wasedaは二回もチュラに当たりました。運命です。



3, American University of Afghanistan
アフガニスタンのアメリカ大学はアフガニスタン唯一の非営利団体運営の共学私立大学です。2006年に開校し、現在1700人以上が在籍しています。


普段の練習は週2回くらいで、50人くらい在籍しているそうですが普段は20人くらいで活動しています。
毎回練習ではコーチによるセッションがあり、特定の分野についてのレクチャーが行われます。例えば、リバッタルのコツだったりWhipの意識などなど。ラウンドに関しては1ラウンドのみ行い、参加者全体から6人が適当に選ばれてチームを組みます。この6人は通常どおりにディベートの準備を行い、試合をします。残りの参加者はaudienceとなり、チームのプレパ中はコーチとともにディスカッションをするそうです。どんなアーギュメントがいえるか、現状どのような問題が存在し、どのような背景事実を述べなければいけないか、どのような例が使えるか、などをとことん話し合います。その後試合をみて、コーチとともにみんなで勝敗を決めます。この際、みんなが勝敗を決め、RFDを準備することで、試合をやらない人はジャッジの練習もでき、人数が多くても皆が効率的に練習できるのだそうです。


まだディベートはそこまで普及していないらしく、国内大会は非常に稀で、たまに2~3校集めてミニ大会をやるそうです。驚くべきことに、彼らは英語のみならず、ダリー語(ペルシア語)を含む3言語でもディベートをやっているそうです。スペック高すぎて思わずインタビュー中に叫んでしまいました。

最終ラウンド直後。
チキンな私ですが頑張ってインタビューしました!



さて、この大学では非常にユニークな練習方法が採用されています。
まず一つ目に、分野別弱点克服練習。アーギュメントのたてかた、リバッタル、イラストについて、などにわけ、各自が苦手な分野を集中的に克服するスタイルを採用しているそうです。「ディベートはひたすら数をこなすのもよいとは思うけれども、やっぱり集中的に苦手な部分を練習すると次試合やった時に成果が出るしいいと思うんだよね」、と教えてくれました。これは小さいグループに分けて練習するそうです。

二つ目に、イラスト力を高めるためのロールプレイ練習。
例えば、紛争終結後直後の社会におけるリーダーと市民の関係や宗教弾圧の状況において存在しうるアクターなどを想像し、実演してみるそうです。こういう状況においてそれぞれのアクターはどう考えどう行動しうるだろうか、果たしてその行動は説得的であったか、などを考え、またそれを実演している数人以外のオーディエンスがみて決めるというもの。オーディエンスやコーチがそれをみて、アドバイスなどをし、終わった後にみんなでディスカッションをするそうです。実際、関連したモーションが出題された時に、実例を知らなかったとしても、知識に頼るのみならず、イラスト力で賄える部分が増え、圧倒的にスピーチ力の向上に貢献したそうです。

三つ目に、“ブック・チャレンジ“というもの。主に、マターを増やすために始めたものだそうです。2週間に1回、1人きめてその人に好きな本を読んできてもらい、翌週その本の内容についてプレゼンします。これは必ずしも新書やディベートに関連していなくてもよいらしいのですが、マターをみんなと共有することを目的として時事関連の本などを読んでくる人が多いのだとか。自分で本を定期的に読みマターを増えやすのは負担が大きく、長続きしないことが多いけれども、このシステムならば負担も少なく、効率的に部内でマターをシェアできていいなと思いました。

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さて、盛りだくさんで長くなってしまいましたがいかがでしたでしょうか?
練習方法に困っている皆さん、よかったら是非参考にしてみてくださいね^^


予告!!!Version 2ではなんとBali UADC 2015の優勝校と準優勝校をとりあげますのでお楽しみに〜!!!!!





2015/06/12

直撃取材!新入生歓迎ver(横浜国立大学)

皆さんこんにちは。ついこの間春休みが終わったばかりだというのに気が付いたら6月に入り、2015年前半戦も終わりに差し掛かり、梅雨はまだだというのに暑い日が続きまくっていて既に関東圏から逃亡したいブログ担当の吉井です。

前回は相方の大原が慶應義塾大学(KDS)の練習会にお邪魔し、その様子を激写してくれました。
そこで今回は、ディベートサークルではなくESS内のディベートセクションにもお邪魔してみよう!という思い付きから、大学同士交流もあるということで横浜国立大学(YNU)の練習にお邪魔し、その様子を激写&チーフにインタビューしてきました!

なぜ今時期に?と思う方もいるかと思われますが、サークルやその他の形態の団体とは異なり、ESSは新入生勧誘の後にセクション決定があるのです。つまり新入生が色々なセクションに遊びに行けるんですね~(大学にもよりますが、ディスカッションやガイド、スピーチ、ドラマなど多様なセクションがあったりします)。なのでESSは今の時期が各セクションが新入生獲得のために動いているアツい時期なのです!






お邪魔してみると、既に新入生向けのレクチャー兼ラウンドが始まってました!
1年生2人、上級生1人で1チームとなってディベートのフォーマットややり方を教わり、上級生と一緒にプレパをして、その後のスピーチは1年生が頑張ってました!
個人的に面白いな・1年生にも優しいな、と思ったのは、プレパ時間をゆったり30分設け(今回のディベートスタイルのプレパ時間は本来20分)、またスピーチ時間は1年生ができるところまでで大丈夫(通常7分)、ということでした。
ESSに入ったばかりの1年生にとって、参加しやすく、ディベートに関わりやすいな、と感じました(#^.^#)


一生懸命プレパ中~!

時には談笑も交えながら楽しくプレパが進みます(#^.^#)

 
                       
                  1年生が自分の言葉で立論・反論を頑張ってます!



スピーチ中は真剣そのもの!

短い練習時間の中で1年生達にどう楽しんでもらえるか、上級生たちが試行錯誤している姿がとっても素敵で、1年生~3年生まで皆が常に笑顔で楽しんでいる練習会でした(*^。^*)



最後に、今年チーフを務めている3年生の中村あゆみさんに今年の抱負等を伺いました!


Q.今年の方針を教えてください!

A.今年1年は(今までもそうでしたが今まで以上に)後輩たちを外に連れて行ってあげたいです。大会だったり練習会だったり。特に大会は、ジャッジを探さないといけないので力をいれていきたいですね。そのためにも今年は他大学との交流を深めていきたいです!

Q.普段の活動で力をいれていることは?

A.今の横国は人が少ないのですが、逆にそれがメリットでもあると思ってます。後輩や部員一人ひとりに焦点を当てて対応できますし、皆が参加しやすい活動を作れると思っています。なので部員により目を向けること、それに力を入れています(*^。^*)

Q.新入生勧誘でのポイントは何かありますか?

A.横浜国立大学‐横浜市立大学間で毎年開催している「横横ジョイント」 というイベントでディベートのやり方を簡単に説明したり、1年生にも分かりやすい・面白い論題でのモデルディベートを行い、ディベートへの取っつきにくさの壁をなくせるよう、「楽しいディベート」を心がけてます!



横国さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
新歓シーズンはもうすぐ終わりますが、これからも頑張ってください!(私も神奈川勢なので頑張ります笑)
では皆さん、次の記事でお会いしましょう~!
                                             

2015/06/10

悔いのない大学生活をディベートと共に

ついに梅雨の気配がしてくる6月に突入してしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。雨が降るとキャンパス内が滑りやすくなり転んでしまうのではないかとびくびくしているブログ担当の大原です。


先日は地道に頑張ることと自分なりの楽しみ方を見つけることについての記事でしたが、今回はもう一つ多くのディベーターの皆さんが直面するのではないかと思われる問題について取り上げてみたいと思います。
バイトに兼部や兼サー、課外活動にボランティア。もちろん勉強も。大学生は時間が多い分やりたいことも多く、実際スケジュール管理が非常に難しいです。ディベートが忙しいとディベートに夢中になるあまり、他のことがおろそかになってしまったり、他のことに夢中になればディベートがおろそかになってしまったり。私自身もスケジュール管理が苦手な分、様々な活動の両立に悩み、これで本当によいのだろうか?なんてよく考えてしまいます。

そんな今回は、体育会系の部活にも全力で取り組みつつ、ディベートでも部長を経験したうえに輝かしい成績を収められている国際基督教大学4年の近藤さんに記事を書いていただきました。



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ディベートにタックルする。

国際基督教大学教養学部4
近藤 隆彦

このエッセイを読まれている皆さんのほとんどはタックルというものをした経験がないと思います。ラグビーやアメリカンフットボールのような球技では、ほぼ全速力に近い速度で走る相手に自分も全速力でぶつかり、タックルをして相手を止めます。そんなことをすれば体は痛みを感じますし、その恐怖と痛みを克服するのは「気合いだ」という無意識な考えが一般的な気もします。しかし、タックルのエッセンスとは技術であり、当たり前のことを考え、工夫しながらきちんと積み重ねないとタックルは上達しないものだと思います。

僕は国際基督教大学で英語ディベート部(ICU Debating Society)と体育会ラグビー部を兼部するスタイルで活動をしています。昨年の2014年はICU Debating Society部長、ラグビー部副将・フォワードリーダーを務め、様々な経験をしました。今回は勉学、ラグビー、ディベートという3本の柱をバランスよく取り組むことを目標としてきた者としてのお話をしようと思います。内容は兼部の世界、兼部での作戦、兼部での成果の3本です。

1, 兼部の世界
2014年の僕は学びを本業とする大学生であり、体を張ったタックルを求められるラグビー部副将・FWリーダーであり、論理的構成力と英語力が求められる英語ディベート部の部長であり、そして近藤 隆彦という私的な人格を持つ人物でした。2014年という1年は学び合い、ぶつかり合い、話し合いながら、僕としてのアイデンティティを作っていたとも言えます。

こんな大げさな書き方をするとものすごく大変なように見えますが、実際には大変と感じることよりも、楽しさと刺激を感じることの方が多く、満足感を覚えることが多いように思います。3つのことを一生懸命やることで、3倍の密度で生活が進む中で「工夫」をして、成果や達成感を3倍の密度で感じれることがその要因かもしれません。

限りある時間の中で3つのことを掛け持ちすると、考えながら工夫をする機会が増えます。教養のために全く未知の世界である英語開講の金融の講義を受講した際は、毎週の小テストと講義中のディベートへの準備をするための時間との戦いが鍵となりました。限られた時間内で電話帳のような教科書を理解し、課題図書となるケーススタディを理解して講義中のディベートでの作戦を考えるために、僕は同じ講義を受講する他の学生と協力して教科書のエッセンスやケーススタディの主要点を事前に整理し合う、というちょっとした工夫をするようになりました。

工夫をすれば成果は出るものです。最初は留学生や帰国生の積極性的な学習姿勢や英語での発言速度に付いて行くのが難しいと感じていた僕も、限られた時間内で行った共同作業で得た講義のエッセンスを理解した上で講義に望めるようになり、自分の意見への自身と発言の機会が増えたほか、小テストの点数も上がり、自分としては成果を感じることができました。

沢山のことを掛け持ちするのは大変ですが、僕は3つのことを一生懸命やった1つの結果として密度の高い工夫の仕方を学びました。大変さに見合うものを得たと感じています。

2, 兼部での作戦
兼部の世界では作戦が求められます。上記の協力するという作戦はその1つですが、実は1番重要な作戦は「当たり前のこと」に真摯に取り組み、きちんとやるという高い理想と目標を持つことだと感じます。

僕はラグビー部副将とディベート部部長という2つの幹部職を掛け持ちするまで、きちんとスケジュールを管理するという当たり前のことをしてきませんでした。予定は頭に入れておけば良い、という考えから、スケジューリングや手帳の重要性を理解することなく生活してきたのです。ラグビー部でもディベート部でも幹部を務めた僕にとっては、予定を重ねてしまってどちらかの重要な行事に参加できないということは原則的にはあってはならないことです。しかし、きちんと予定を管理していなかった僕は痛い目を見ることになります。

ずさんなスケージュール管理の結果として、僕は僕自身が重要だと思う行事に参加できないことが何回かありました。ICUラグビー部の公式戦が最も盛んになるのは秋ですが、この時期はディベートでも秋のJPDU大会や一年生最強を決める「梅子杯」といった重要な大会があり、スケジューリングが重要な時期ですが、僕のミスでラグビーの公式戦の日程と梅子杯の日程を被らせてしまいました。ICUラグビー部が参加するリーグの公式戦の日程は、7月頃に指定された日程の中からチーム同士の話し合いを行って秋のリーグ戦全体の日程の調整を行いますが、僕はその会議で梅子杯のことを考えずに日程調整を進めてしまったのです。実際の梅子杯の当日は13時からICUでラグビーの試合があり、幸運にも同じICUで梅子杯の決勝ラウンドが開催されていたのでラグビーの試合後に梅子杯の応援になんとか行くことができましたが、大きな後悔が残りました。

ダブルブッキングという初歩的なミスは作戦の誤りから生じており、その誤りとは「当たり前のことをきちんとやる」ことに真摯に取り組まないということでした。沢山のことを掛け持ちすると、時間の制約上、スケジューリングや疲労など、必ずどこかで問題が発生します。ここで重要なのが、きちんと予定の管理をすることや、きちんと休息をとり、備えることなのです。ラグビーの疲れを残し続けた状態ではディベート部に貢献できませんし、部活動での予定や疲労を言い訳にしていては勉強ができません。それぞれの時間を決め、決めた時間内で一生懸命に取り組み、次の予定では切り替えて別のことに一生懸命に取り組むという、まさに「当たり前のこと」にどれだけ真摯に取り組めるかが鍵です。そして、これができれば、何かを諦めずに掛け持ちするという選択肢が大きな現実味を帯びるのです。

予定を管理し、時間を守り、一生懸命に取り組んで、ONOFFを切り替えて次に備えるというのがマルチタスクをする上での重要な作戦であると感じた1年でした。

3, 兼部での成果
これだけ偉そうに語る僕の成果とはどんなものなのでしょうか。残念ながら、3つ全ての点において僕の理想を体現することはできませんでしたが、前進を感じる1年であったと思います。

大きな成果を感じるのは、勉学、ラグビー、ディベートに別々の視点から取り組み、別々の知恵を活かせたことです。例えば、僕は自分が苦手とするラグビーのタックルを克服するために自分の姿を練習や試合をビデオに撮ってもらい、落ち着いている時になるべく客観的になって自分を観察しようとしてきました。冷静になっているときに考えることのできる論理的な視点から、一生懸命になっていたときの自分を見返し、なにが理想からズレていたのかをチェックしました。相手との物理的な間合いや、自分の足の動かし方、重心などを観察し、なにが満足のゆくタックルに繋がっているかを考えました。重要だったのは冷静であればわかる論理と、無我夢中になっている自分の行動とのズレを見つけることです。

同じことはディベートの練習でも活かすことができました。考え方の違いかもしれませんが僕は自分のスピーチを録音して見直すということはしません。その代わりに、ノートを必ず見直していました。練習のノートを後から冷静になって見直すと、自分がどれだけ支離滅裂なことを言っていたかが、なぜその考えに繋がったのかという観点から観察できます。これはラグビーのタックルの研究と同じように、冷静な時には理解できる論理的な理想像と、実際の自分のスピーチの間のズレを発見し、理解するためのものです。冷静になって客観的になってから見直したノートが意味不明であれば、そのスピーチは観衆に届くはずがないのです。後から見直しても理解できるノート作りは、整理され、まとまったスピーチノートに繋がり、それは「わかり易さ」という僕の考える1つの理想に繋がったと思います。

結び
無意識で「気合い」に頼っていたタックルを見直すためにした工夫は、無意識で独りよがりになりやすいディベートのスピーチを見直すときにも活きていました。ラグビーのタックルも、ディベートのスピーチも、まだ完璧な理想像からはほど遠いですが、複数のことに一生懸命取り組む過程で生まれた工夫や学んだことは、僕の理想に近づくことに大きく役立っている気がします。

兼部、掛け持ちというと大変というイメージが1番にくる気がします。たしかに掛け持ちをすることは簡単ではありませんが、それにチャレンジする中で得られるものは多く、素晴らしい経験になると思います。そして、部活動を掛け持ちするコツとは、予定の管理やONOFFの切り替えなど、誰もがやろうと思えばできることだと思います。

様々な選択肢がある大学生活の中で、課外活動の掛け持ちを得体の知れない恐ろしさから諦めようと思っている方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。このエッセイが課外活動の掛け持ちをして様々な事柄の「いいとこ取り」にチャレンジする人の後押しとなれば、うれしいなと思います。

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近藤さん、お忙しいなか素晴らしいエッセイをありがとうございました。

皆さんも是非やりたいことには恐れずにどんどん挑戦し、有意義な悔いのない大学生活を送ってくださいね!