2014/05/25

春T2014CA加藤彰氏によるご寄稿

こんにちは、blog担当の井上裕紀です。

今回は春TでChief Adjudicatorを務められた加藤彰さん(東京大学公共政策大学院2年)に、CAを務められたご感想を頂きましたので、ご紹介いたします。

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初めまして、東京大学公共政策大学院2年の加藤彰と申します。

この度は、先日行われましたJPDU Spring Tournament 2014においてChief Adjudicator(審査委員長)を行った際の感想を書かせて頂きます。
ただ、大会の運営がスムーズに行ったのは大会運営責任者や運営コミッティーの皆様、そして他の審査委員の皆様のおかげであることを強調させてください。


General Commentをされる加藤氏



今回個人的に気を付けようとしたのは、主に2点あります。



① ダイバーシティ(多様性)の重視
全国大会であるという趣旨から考えると、多くの地域から様々な大学・学年・国籍・ジェンダー等多くのバックグラウンドを持った人が集まっていると思います。
そう考えると、多くの人たちが楽しめる、満足できるようにできるだけ包括的な工夫を施そうと思いました。


そう考えると、審査委員もできるだけ多くの声を反映でき、また多くの視点が入っていることが望ましいと考えました。
したがって、審査委員としてはできるだけ色々な大学から、様々なバックグラウンドがいる人と行いたいと思いました。
実際、5人の審査委員団は非常に自分が気づかなかった視点ばかりでかなり勉強になりました。
「このような議論がされていて」「こういうことが現実社会では起きていて……」等本当に学ぶことが多かったです。


そして、議題もできるだけ多くのテーマを採用しようと思いました。
これを行った理由としては単純にその方が面白いというのもありますが、一つに偏らないことで公平性をより担保し、またディベートの魅力の一つである「様々な社会現象に触れる」ことを促進したいと思ったからです。
私自身、多様な議題を出す過程で様々な文献にあたり、非常に楽しかったです。「こんなシステムがあるのか!」と知った時の感動は大きかったです。
また、最近アジア大会、北東アジア大会、世界大会等多くの大会に日本人が参加していている中である苦しみの声として「海外で議論されていることが分からない」というところにも対応したかったです。
もちろん、今回の審査委員団の好みや趣向が反映されていることは否めませんが、できるだけ似たようなテーマは排除することに努めました。
具体的には、世界中で話題になっている内容(マレーシアにおける民族ベースの学校、ドイツでの『我が闘争』を巡る論争)に多く触れつつ、国内での議論(「キラキラネーム」、三鷹のストーカー事件で問題になったリベンジポルノやストーカー規制法)にも数多くスポットライトをあてたつもりです。


また、ルーキーチームに関しても積極的に評価が高い審査委員が試合を見ることによって将来へのバトンを託せるようにと思っていました。



② 基本を意識できる環境づくり
今回最初の大会に関する説明(ブリーフィング)においてもディベーターに対してディベートの基本である部分を数多く強調したつもりです。
「なぜこの議論がされているのだろう?」「誰がこういう主張をしているのだろう?」「具体的には何が起こっているのだろうか?」というようなことを意識することで、ディベートの本質である「肯定側」「否定側」に分かれて第三者を説得することをしてもらいたいと思っていました。


また、特に今回力を入れたのは審査員(ジャッジ)に対する環境づくりです。
審査委員団としては暗中模索な部分もあったのですが、より良い審査委員を目指して競技に参加している人も多いため審査員に対する評価基準を明確化・細分化しました。
また、大会の事前に行うジャッジテストのコメントも1人1人に返しました。
また、各ラウンドにおいてジャッジ同士でフィードバックを行うことを義務化致しました。


すごくあたりまえかもしれませんが、将来うまくなるには「自分が今何が必要か」と知ることから始まると思います。そしてディベーターに対してはフィードバックが多いもののジャッジに対してはないのは残念だと思っていてこういった制度の導入を決めました。


長くなってしまいましたが今回の大会の感想は以上となります。
JPDUのもとで審査委員団に入ったのは3回目で、それ以外の大会を含めると9回目の審査委員団の経験だったのですが、本当に楽しかった大会でした!!!
ひとえに、大会運営コミッティーと審査委員、そしてその他参加者や応援をして頂いた皆様のおかげです。
ディベート6年目に入る身として、また来年から就職することからも今後また審査委員団に入ることはおそらく最後だと思うのですが、最後に本当に良い思いをさせてもらいました。
運営側の人たちはみんな良い人たちばかりで、笑いが絶えませんでした。
心の底から、やってよかったと思えた大会でしたし、今もまだ夢の中にいるような感覚です。
一生印象に残る大会でした。大切な思い出としたいと思います。


今後のディベート界の発展を心から願っています。
より多くのディベーターが楽しんで、成長できる環境になることを祈っています。


加藤彰


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加藤さん、大変お忙しい中ありがとうございました!
次回はTD高橋涼太朗さんへのインタビューをご紹介します。

それでは今回はこれで失礼いたします。

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